今回は真空引きについて解説をしていきたいと思います。
真空引きの目的
真空引きはエアコン作業等を行っている方は必須の作業となってきます。
エアコンは配管内に入っている水分や空気などを嫌います。
空気が入っていると不凝縮ガスですので圧力の上昇が発生します。
水分等の場合は、内部の劣化やオイルの劣化などを招くため残っていると故障の原因になってしまいます。
それら空気や水分を無くす作業が真空引きとなります。
真空引きが発生する作業
真空引きが発生する作業としては、代表的なのはエアコンの新規取付になります。
室外機の方には既に冷媒が入っているため、空気等は入っていませんが、室内機と室外機の繋いでる配管や室内機の方は通常の空気が入っています。
そのため空気を抜くために真空引きが必要になってきます。
また冷媒回収などを行って、冷媒系統の修理などを行った際も真空引きの作業が発生します。
真空引きに必要な工具
真空引きに必要な工具としては、
①真空ポンプ
②逆流防止弁(真空ポンプについている場合は、不要)、
③圧力計− 0.1MPaまで測れるものが望ましいです。
また大きさは大きい方が望ましいです。
④チャージホース
⑤その他汎用工具
これらがあると最低限真空引きを行うことが可能です。
<h2>真空引きのやり方</h2>
真空引きのやり方としては、下記の図のように機器を接続してください。
接続が終わったら各取り付け器具側のバルブが全て開になっていることを確認し、真空ポンプを運転します。
圧力計の値が-0.1MPaになるまで真空引きを行います。
その後バルブ等がついてる場合はバルブを一度開閉し、音が変化しないことを確認します。
音が変わる場合はまだ真空が引けていない可能性があるので、もう少し引いてみると良いのかなと思います。
新規の取付などの場合は− 0.1MPaになったら真空引きを止めても問題ないと思いますが、冷媒系統の修理などを行った際は、水分等が入っている可能性もあります。
またガス漏れ等が発生した場合等の修理の際は、配管内に水分が残っている可能性があるので、その際は− 0.1MPaになってから1時間ほどは真空引きを行った方が良いかと思います。
中の水分が-0.1MPaで沸騰し空気となるためです。
注意点
やり方でも解説しましたが、真空ポンプ関係のバルブは全て全開にしておかないといけないです。
事例として真空ポンプのどこかのバルブが閉めたままになっており、エアコン内の真空が引けていないと言う事例も聞く事はあります。
このような際は真空になるまですぐ行けます。
そこまで時間がかからずに真空域まで行った場合は注意が必要かなと思います。
逆流防止弁について
必要工具に逆流防止弁について書きましたが、最近の真空ポンプには逆流防止弁が内蔵しているものが多いです。
この逆流防止弁をつけていなかった場合、真空引きを行った後に真空ポンプを止めてしまうと、真空ポンプ内のオイルが空調機側の方に入ってしまう、事象が発生します。
新冷媒と言われるR 32などの場合は、これが真空ポンプのオイルとエアコン内のオイルが混じるとスラッジなどが発生する可能性があるため気をつけなければいけない事象となります。
まとめ
真空ポンプはエアコン作業を行う際などは必須の工具となります。
昔は新規取付等の場合はエアパージと言うやり方で配管内を真空にしてると言うやり方もありましたが、現在では環境問題や混合冷媒などの問題でエアパージすると故障する可能性も出てきます。
環境にも悪いため確実に真空ポンプなので真空引きを行うのが望ましいと思います。
また真空ポンプを買う際は業務用などを行う際は比較的大きめの真空ポンプを持っておくと良いのかなと思います。
主に家庭用の取り付けなどを行っている方はバッテリーで動く真空ポンプを持っておくと、お客様の電気を借りる必要もなく、また延長コード等を使用しないので便利なのかなと思います